ニートです。

日記とメモ。

ピンボケくらいの関係性

 

 

他人の人生の背景になるくらいがちょうどいい。目の前の物体にピントをあわせたせいでピンボケしちゃっている写真の背景のような、他人にとってそういう存在であることが一番心地良いと私は思う。そして私がそう思うのと同じように、私を取り巻く人たちも私の人生にピンボケくらいの気持ちで寄り添ってきてくれたらと願っている。どんなに親しい人であってもその人は当然私自身ではなくて、だからそんな他人の人生に自分自身のそれと同様の思い入れを抱えることはできないし、そこに深く踏み込むことに費やす膨大なエネルギーを私は持ち合わせていない。


だから今海外での生活ってすごく気持ちがいいんだ。この先永遠にここに住むことはないんだと乾燥した気持ちで過ごす今、他人との距離感は自分の中でベストに保たれている。近くにいすぎた人々と、物理的にどうしようもないと諦めのつく理由で離れることができる。これは私の周りにいる人が嫌いとかそういうことではなくて、ただ単に距離感に疲れただけ。日本だと、無意識のうちに追い込められるから。同僚と仲良くしないと。飲み会に行かないと。旧友ともキャッチアップしないと。そういった生活は孤独になることを異常であると思わせてくる。人間なんてみんな孤独であるのが大前提で、当たり前なのにね。でも日本の外にいたら、そうやって孤独を選び取ることが自然の選択肢としてちゃんとそこにあって、それを選ぶことができる。孤独な状態が自分の意思と都合で手に入って、許容されている。それが気持ちいい。


だから私は帰るのが怖い。楽しみな気持ちもあるけれど、日本に戻ることで自分がまた元に戻ってしまうのが怖い。人と過ごす時間をわけもなく欲してしまう、そんな自分になるのが怖いし、そうなっていくことが避けられないのが私の未来ならば、そんなのは決して待ち遠しくなんかない。