ニートです。

日記とメモ。

地元の話

 

 

やっぱり帰ってきて早々、地元が嫌だ。

ここは東京やシンガポールに比べたら土地は大きいはずなのだけれど、人間関係は妙に狭くって街に繰り出せばすぐに知り合いに会う。そして初対面の人でも話し込むうちにすぐに共通の友達とか誰かしらと繋がる。そんな場所だから飲み会のネタになるのはもっぱら他人の噂話ばかりで。それはまあ全然いいんだけど、そういうよくわからない変な好奇心で私の内情にも探りを入れてくる人がいるのがなんとも居心地が悪い。

 

私は他人と分かり合うなんていう現実をとうに諦めていて、だからこそ自分の夢だとかこれからの人生だとか価値観だとかをそこまで親しくもない他人と共有することに何の意味も見いだせないし、そういう会話をしたしくない他人とすることをひとつも望んでいないのだ。特にこの閉鎖された地方都市においては、なおさら。他人と違う行動を起こす人について、その行為の意図とかそこに至るまでに何があってどんなことを考えていたのかとか、そういうのは全く理解されなくて、ただその行状だけを好奇のまなざしで見つめられる感じ。そんな人たちに自分の話をするほど無駄なものってないよ。自分の心に、頭に確かに存在する何かのビジョンとか野望とかが言葉として外の世界に放たれるだけでなんだかもうその濃度が100分の1くらいになる感じがするのに、それが私を取り巻く人たちの間でひとつの話のネタとして他人から他人へとわたっていくことを考えると、その気持ち悪さといったらこの上ない。それはもうなんの中身もない空っぽの、体裁だけを保った言葉でしかないのに、それがまるで私の今を描写する唯一の名刺として自分の知らないところでどんどんばらまかれていくの。もう本当に、私はこの場所のこの環境の、こういうところが嫌いだったんだなと、なんだか実感させられる。私はこんな田舎育ちだから東京に行ったらそわそわするし、ちょっと怖気づいたりするけれど、それでも「東京の人は冷たい感じがする」なんて、よくある常套句を不満げに唱える気なんてさらさらない。そのくらいのつめたさがちょうどいいと感じる人間だって、いる。

 

私は他人は他人だと思っていて、話の内容はできるだけ上辺をなぞっていくような浅はかなものであってほしいと思うし、何のためにもならないような、心底どうでもよくてくだらない何かで笑い合っていたいと思う。もし誰かの将来の話や夢の話を聞くのであれば、それはそれを迎え入れるだけの私なりの誠意ある姿勢で受け入れたいと思っているし、でもだからってそんな真摯な対応をいつ何時もあらゆる人に対してとっていけるほど私はお人好しではないから、やっぱり基本的には他人と浅く、自分の親切さを保てる範囲で関わっていたいと思う。だからこそ、他人が私の内情について軽々しく土足で踏み込んでくるのはなんだかすごく嫌で、でもこの考えがわがままっていうのもわかる。いろいろ踏み込むのは好きにして、でもそうするんならそれなりの心構えできてよね、じゃなかったら私はあなたと前日の晩御飯が何だったかについての議論しかしたくないよ、なんて、こんなのだってただの私のルールでしかないもん。私の中の勝手なこだわりと好き嫌いであって、それを他人に押し付けるのは自分勝手だ。それでもなんだか此処に強く根付いている少しだけ時代遅れな感じが居心地悪くてたまらない。あなたに興味がありますという風を装って、でも結局みんなだって私と同じように自分のことが誰よりも大事でかわいくてしょうがないんでしょ。だから、好意とか興味とかそういうののフリをしてやってくるものたちに、私はものすごく冷たい感情しか抱けなくて、ただの野次馬精神をその奥に見据えてしまう。

 

噂話として流れるように浮遊するだけなら、まだいい。それについてとやかく言う人は本当にどうしようもないなと思ってしまう。なんでもかんでも否定する人、いじる人。過去にそういう人に何人も出会ってきたな、そういえば。そういうアウトデートな人たちは、いじったらなんでもかんでも美味しくなるわけじゃないし、面白くなるわけじゃないし、それでいじられた人がいい気持ちになるわけじゃないということに怖いくらいに鈍感だ。何でも揚げ足をとって茶化す文化やめたらいい。本当、それが苦しい。これいじりだからさ、これガチじゃないからさ、なんて、それ言っておけば何でも言っていいわけじゃないことくらい、もうわかってほしい。そういうので抗ったらノリが読めてないみたいなのもばからしい。なんだよノリって。みんな決してデリカシーがないわけじゃないけれど、そのレベルがなんだかすごく緩くて、低い気がしてならない。なんて、こんな私が偉そうに言うのはきっと生意気すぎるのだろうけど。

 

今日は少し攻撃的な表現が多かったかもなぁ。ごめんなさい。

 

※ 2020年3月に書いたものです。攻撃的だけどなかなか好きな感じだったので今更あげます。ちなみに今はここまで尖っておりません。大量の雪に飲み込まれながら、毎日穏やかに過ごしています。